リファラル採用の報酬にまつわる、在籍社員のホンネ
リファラル採用で紹介された社員の入社が決まったときに、紹介者に支払われる報酬(インセンティブ)。
インセンティブの金額設定は、どの会社も悩みどころです。
しかし、この報酬(インセンティブ)について、社員がどう思っているかは意外と表に出てきません。
この記事では、リファラル採用の事例や相場を交えつつ、在籍する社員の本音を書いていきます。
「いち社員からみたらこんな風に考えてますよ」という頭の中をお届けします!
リファラル採用報酬(インセンティブ)の相場ってどんな感じ?
リファラル採用の制度設計を行う際、悩みどころは報酬ですよね。
リファラル採用の報酬というと、社員が紹介した人が採用された際に、紹介者の社員に支払うお金等を指します。
媒体によっては、インセンティブとも書かれます。
リファラル採用の報酬は、会社によってさまざま。
今までいた会社でも、その金額はバラバラでした。
報酬の相場は、不明確・不明瞭なだと言わざるを得ない状況です。
過去に在籍していた会社でのリファラル採用事例
自分が在籍していた会社はどうだったかな?と思い返してみました。
参考までに、私が今まで経験した会社は3社。どれも中〜大規模の企業です。
- 1社目:情報セキュリティ系のメーカー(700人規模)
- 2社目:旅行業(300人規模)
- 3社目:旅行業(150人規模)
どの会社でも、人事業務には一切関わっていません。
1社目で仕事をしているときに、「社員紹介制度」という社内制度が発表されました。
報酬の金額は覚えていませんが、試用期間(3か月)を経過したら報酬が出る制度です。
営業職・技術職で要項が分かれていましたが、報酬は同一でした。
報酬金額は10万円前後。
2社目と3社目も同様に、試用期間(3か月)を経過したら報酬が出る制度でした。
この会社では、エンジニア職とそれ以外の職で、要件や報酬もはっきりと分かれていました。
どちらの会社も、被紹介者(入社する予定の人)へのインセンティブはありません。
また、ベンチャー企業の人に話を聞いて衝撃だったのは
「入社する社員が、ほぼ知り合いからの紹介」だということ。
もちろん面接はあるものの、在籍社員の大学時代の後輩などが社員として入社するケースもよくあるそうです。
転職エージェントへの採用報酬を知って見方が変わった
リファラル採用の報酬の考え方がん変わったきっかけがあります。
それは、会社が転職エージェントに支払っている採用報酬を知ったことです。
新卒で入社した1社目では、転職エージェントに会社が払う金額を知りませんでした。
そこから2社目に転職するために転職エージェントを使ったのですが、そのエージェントから話を聞いて、成功報酬の金額を知りました。
「そんなにもらってるんですか!?」と驚いたのをよく覚えています。
実際は、転職者の年収の3割〜4割を、転職エージェントへの報酬として会社が支払っているそうです。
エージェントに払う金額を知ってからは「リファラル報酬って安いな……」と感じるようになりました。
とはいえ、質の高いマッチングのサービスをしている以上は、致し方ないのですが……。
転職や就職にかかわるお金の流れを知っているか否かが、リファラル採用の報酬についての印象が変わるラインのひとつと言えそうです。
いち社員から見た、リファラル採用制度への本音
いち社員から見た思いとして、会社から社員に明示してほしいもの。
それは、「どうしてこの報酬になったのか」です。
報酬(インセンティブ)の内容に納得するかしないかは、社員それぞれの問題。
とはいえ、いち社員からリファラル採用の報酬を見ると「安いな」と感じる人もいます。(私のような)
「この会社にとって社員の価値ってそんなもんなのかな?」とか思っちゃう。
会社側の事情を知らないままそう考えているので、大っぴらに言及しづらいのです……。
また、リファラル採用をやる前にやるべきことがあるんじゃないの?とも感じます。
従業員の満足度向上や、社員の定着率アップなど。
せっかく制度を活用して知り合いを紹介するなら、胸を張って自分の会社を勧めたいのです。
会社が魅力的でなければ、「この会社に知人が入ってきても幸せになれないわ……」と思ってしまいます。
そんな会社を友人知人に勧めたいか? 答えは自ずと知れています。
極端な話、リファラル採用の報酬が100万円です!!と言われても、
会社の人間関係が最悪で労働環境もブラックなままの会社では、間違いなく人は集められないでしょう。
報酬だけじゃない、リファラル採用のあるべき姿
報酬目的でリファラル採用を活用しよう/活用させようとしても、誰も幸せになりません。
リファラルで入社した社員が、長年勤めず退職する可能性もありますし。
リファラル採用における関係者は
- 会社
- 紹介する社員
- 紹介される人
の3者です。
どうせなら、目先の採用だけでなく、3者がハッピーになれるリファラル採用であってほしい。
そして、いち社員から見たときには、胸を張って友人知人に勧められる会社であってほしいのです。
「うちの会社まじサイコーだから」って社員が思える会社なら、リファラル制度の活用は進むでしょう。
むしろ、報酬がなくても人が紹介されるかもしれません。
この辺の話は、以下の記事で書きました。
まとめ
リファラル採用の報酬や制度設計について、思うところをまとめました。
人事の業務に関わっていない、いち社員からの意見です。
個人が魅力的な人を目指せるように、法人も魅力的になれると考えています。
リファラル採用! 報酬額! と単独で考えても、どこかで壁にぶち当たるでしょう……。
報酬や制度設計にとらわれず、自社の魅力をアップさせるには?と考えてほしいなあ、と願うばかりです。