コミュ力が高いと誤認して、「聴かない」落とし穴にはまった話
あなたは、他の人と会話をしているとき、どのくらい相手の話を聞いていますか?
「ちゃんと聞いてるよ!」って、内心思ったりしました?
本当にちゃんと聞いている?
ちゃんと聞いている、って何なんでしょう。
相手の言葉に集中して。
相手の表情をじっと観察して。
ただ、目の前に展開される相手の言葉を、偏見なくそのまま受け入れて。
あなたは、相手の話を、本当に「ちゃんと聞いている」と、胸を張って言えますか?
ここまで、完全に自戒です。
相手の話をちゃんと聞いていると思っていたけれど、実はあまり話を聞いていませんでした。
私の話です。
何をしていたのかというと。
相手の話を聞きながら、次に何を話せば相手が喜ぶかを、考えていました。
対面する相手が一生懸命に話していることを、半分程度しか聞いていませんでした。
「聞き上手」という思い込みが作った落とし穴
もともと、私はちゃんと相手の話を聞いている!と思っていたほうです(思い込みだったわけですが)。
ただ、どうにも会話が弾まなかったり、うまく噛み合わなかったりすることがある。
「コミュニケーションでもっとも大事なことって、聞くことじゃないんだろうか?」
「どうして、うまく会話を回せないんだろうか?」
どうにかしたいなあと、思うようになりました。
コミュニケーションや傾聴に関する書籍を読んだり、レクチャーを受けました。
書かれていたのは、こんな言葉たち。
・コミュニケーションの問題は、聴くスキルを身につければ解決する
・自分の頭の中の「決めつけ」に引っ張られると失敗する
・会話で発揮される傾聴は、情報収集と同じ
えー!やってるよー!と思いながら、試しにこんなことを意識してみました。
話し相手に、意識を集中させてみた
話しかけられたときや、会話の最中、相手が喋っているときに、意識の全部をできるだけ相手に向けるよう、注意してみました。
その時に気をつけていたのは、こんな部分です。
・話す内容を頭の中で繰り返して、「次に何を言おうか」を脳にできるだけ考えさせない
・相手の目だけでなく、身ぶり・手ぶりを含めた全体を見るよう心がける
・自然な相づちは打つけれど、相手がひと段落するまでは原則黙っておく
一度試してみて、すぐに気づきました。
「得られる情報量が、全然違う!」と。
相手が発する声色の機微やイントネーション、表情の動き、身ぶり手ぶりなど。
言葉以外の非言語情報が、これでもかと流れ込んできました。
私が思っていた「人の話を聴く」は、いったい何だったんだ……と、愕然としました。
聴きながら考えていたことで、本来なら入手できる情報が、まったく自分に入ってきていなかったんです。
相手を理解するために必要な情報を、あえて入手していなかった。
もう、これは「ちゃんと聞いている」とは言えません。
もしかして自分は、コミュニケーションスキルが高いんじゃないか?とまで思っていましたが、穴があったら入りたいです。
これは、「私コミュ力高いのでは?」と思ったときの記事です。
聴かないことによる、コミュニケーションの損失
今まで私はずっと、相手の話を聴きながら、次に何を言うかを考えていました。
そうしないと、見当はずれなことを言ったり、沈黙で相手に不快な思いをさせてしまうと思っていたから。
しかし、実際は逆のプロセスが必要だったんです。
的を得た返事をするため、相手に気持ちよく会話をしてもらうために必要なこと。
それは、「相手の話を聴きながら、次に何を言うかを考えること」ではなく、「相手の話を全身全霊で聴くこと」です。
良かれと思ってやっていたことが、実は特大級の損失につながっていました……。
まとめ:コミュニケーションの第一歩は「相手への集中」
コミュニケーションにおいて、相手の話を聞くことは、たしかに大切です。
ですが、ただ聞くだけでは意味がなかったと、実体験から学びました。
ただ「聞く」のではなく、以下のふたつを強く意識することで、見える世界はぐっと広がります。
・全意識を話し相手に集中させる ・非言語情報(声色・表情・視線・身ぶりなど)を含めて、相手から情報を収集する
「コミュニケーションが上手くなりたい!」
「コミュ障を脱したい!」
もしあなたがそう思っている、またはこれから先そう思う機会があった際には、まずは相手に意識を集中する!と思い出してくださいね。この記事の内容が、お役に立てば幸いです。