amazarashi「未来になれなかった全ての夜に」NHKホールで見つけた2つの変化を考察する
2019年6月21日。
HNKホールで、amazarashi Live Tour 2019「未来になれなかった全ての夜に」を観てきました。とても素敵なライブです。
さて、今回のライブを観て、とある曲について思うところがありました。
そこから派生して、今回のライブで感じ取ったamazarashiの変化を、感想と共に書きたいと思います。
※この記事では、ツアーで発表された楽曲を一部ネタバレしています。あらかじめご了承ください。
変化(1) 楽曲「独白」が、秋田ひろむのものになった
amazarashiの楽曲のひとつに、「独白」というタイトルの曲があります。
2018年11月に行われた、キャリア初の武道館公演「新言語秩序」。
「独白」は、その武道館ライブの一番最後に、初めて披露された1曲です。
その時のライブレポートは以下。
当時の武道館公演「新言語秩序」の背景には、筋の通ったストーリーがありました。
詳細は長くなるので控えますが、「独白」という曲は、そのストーリーの最後を飾る曲だったのです。
タイトルが表す通り、「独白」は、そのストーリーの登場人物が語る内容そのもの。
「独白」は、あくまで、そのストーリーに出てくる登場人物の、キャラクターソング。
初めて聴いてから、ずっと、そういう認識をしていました。
しかし、今回のライブツアー「未来になれなかった全ての夜に」で演奏された「独白」は、キャラクターソングではありませんでした。
「amazarashiの秋田ひろむが歌う『独白』」として、ツアーに組み込まれていました。
一般的に、アニメ等のキャラクターソングについて考えたとき、それを歌っているのはキャラクターです。
あくまで声優の方が演じて歌っているものであり、本来は、その声優さんの曲ではありません。
(最近は、キャラクターソングだけを歌うライブなどもありますね。それはまた別の話。)
「独白」という曲は、2018年11月の時点では、amazarashiの世界観が色濃く反映されたキャラクターソングだった。
しかし、2019年6月、今回のツアーで歌う「独白」は、amazarashiのボーカル・秋田ひろむの歌になっている。
そんな風に思ったのです。
「独白」が、実多(キャラクター名)の歌から、秋田ひろむの歌になった。
そう確信しました。
変化(2) バンドと観客の距離感が変わりつつある?
ライブを観て、もうひとつ感じた変化の話を。
amazarashiの活動は少し特殊というか現代的で、顔を隠したままで活動を続けています。
メディアへの写真や動画の露出もなく、映像でも彼らの表情を窺い知ることはできません。
ライブでは、ステージの前面(出演者と観客の間)にスクリーンを下げ、そこに映像を映し出すことで、視覚的な演出を兼ねているのがいつもの状態。
以下の動画のような感じです。26秒くらいから見ていただければ。
ところが今回のライブでは、ステージの前面にあるスクリーンが、やたら薄い。
「前列にいる人、普通に顔が見えるのでは……?」と思うくらい。私は2階後方席なので見えませんでした。
出演者の後ろにもスクリーンがあり、必要に応じて、前面と後面のスクリーンを使い分けて映像を投写していました。
他の会場のことは分かりません。
NHKホールの設備による事情も、あるのかもしれません。
ただ、今まではあまりなかったことだなあ、と感じたのでした。
総集編のようなツアー、今後にも期待大!
今回のツアーで、最後に演奏されている曲。
光・夜・朝・言葉といった単語を織り交ぜながら表現された曲で、さながら「amazarashiの総集編」のよう。
MCで「過去の曲を演奏しに来ました」という旨のことを言われていて。
今回のツアー「未来になれなかった全ての夜に」は、まさしくamazarashi総集編!というような内容のライブでした。
今後の活動も楽しみに、追いかけていきたいです。
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