amazarashi「新言語秩序」に、私がブログを続ける理由を見た
私たちが毎日必ず使っているもの、それは「言葉」です。
日常に使っている言葉を牽制し合う嫌なムード
朝起きたときの挨拶。IC定期券に印字された定期圏範囲。
人身事故で電車が遅れていることを伝える電光掲示板。会議の資料。
スマートフォンに表示されたアプリの名前と、ひっきりなしに届くメッセンジャーの通知。
ランチを選ぶときのメニュー、Googleで検索する飲み屋の情報、それを送信するときのURLも。
飲みの席で展開される堂々巡りの愚痴、タクシー運転手に告げる自宅までの行き先。
車内に流れるラジオでナビゲーターが話す話題、帰宅後の家族との会話、などなど。
あなたも私も、日常的に言葉に触れています。
もはや、言葉に触れない日なんてあるのでしょうか。
インターネットが普及したことで、いよいよ私たちは、現実世界だけでなく、四六時中言葉に囲まれて暮らすようになりました。
インターネットで使う言葉は、肉体のある世界以上に、言葉尻が取られてしまう場面を見かけます。
ユーザー同士が、お互いの発言を睨み合って揚げ足を取ろうとしたり。少数の意見を、多数の人が寄ってたかって叩いて潰したりなんてこともあります。
そういった、目に見える・または見えない牽制によって、自由な発言・表現がしにくい雰囲気が出来上がっていきます。
そんな現状をモチーフにして、amazarashiというアーティストにより、ひとつの世界観が作り上げられました。
ロックバンドamazarashiと、彼らが創った「新言語秩序」
amazarashiは、2007年から活動している、青森県出身の秋田ひろむを中心としたロックバンドです。
自分自身の虚しさから曲を書き起こし、今では公開されている楽曲は101曲。秋田自身は顔を出さず、メディア展開はインターネット中心に展開されています。
ライブも、演者の前面にスクリーンを下ろし、タイポグラフィーと映像を映す独特のスタイルです。
2010年に、私はこのバンドに出会い、以降ずっと彼らを追いかけています。「世界観を大事に育てている」という表現がぴったりのバンドです。
そんなamazarashiの新プロジェクトが「新言語秩序」。
多種多様な他者を傷つけないための会話のテンプレート「テンプレート言語」を使う国。自分の言葉で表現を行うと、警察及び自治団体に取り締まられ、洗脳まがいの「再教育」をされる……そんな世界観。
表現に対する狭量さ、表現をする上での息苦しさをモチーフに作り上げられた物語です。
『「新言語秩序」は、言葉のディストピアの物語です。』
私がブログを書き続ける理由を、再認識した
自分の話。ブログやSNSなどで自分の情報を発信していくなかで、「何のためにやっているのか?」が分からなくなった時期がありました。
考えていることや、読む人の役に立ちそうなことを発信していっても、どこか空虚で。
だんだん「インターネット上の自分」が何なのか、分からなくなっていました。
自分のために書いているんだって、答えは分かっていたにもかかわらず、です。
私は、ブログに書いた言葉たちで自分を作り変えている、という認識を持っています。
言葉で自分を作りあげた方向にしか、自分は変わっていきません。
言葉で自分はできているから、自分を残し、未来を変えるために、ブログを書き続けるんです。
その事実を、amazarashiの「独白(検閲解除済み)」を聴いて、痛烈に再認識しました。
言葉は積み重なる 人間を形作る 私が私自身を説き伏せてきたように
一行では無理でも十万行ならどうか
一日では無理でも十年を経たならどうか
何行でも、何万行でも。自分のために文章を書こう、ブログを残していこうと思いました。
あくまでも自分のために。その次に、関わる人たちのために。
「新言語秩序」の世界を追体験する
言葉のディストピアとして展開された世界観「新言語秩序」。その核となるライブは既に終わってしまいましたが、特設サイトやアプリから、その世界観を追体験することができます。
せっかくなので、おすすめの巡回方法を紹介しますね。
amazarashi「新言語秩序」の楽しみ方
- amazarashi「新言語秩序」特設サイトを見る
- Youtubeで「リビングデッド(検閲済み)」を見る
- 「新言語秩序」プロジェクト専用アプリをダウンロードする
ダウンロードページはこちらです。 - アプリで小説を読む(第四章-真以外)
- アプリでリビングデッド(検閲解除済み)をアプリで聴く
※映像は刺激が強いので、体調の良いタイミングで見ることをオススメします。 - アプリで小説を読む(第四章-真)
- アプリ内のギャラリーから、「独白(検閲解除版)」を聴く
また、ライブの映像を映画館で後日放映する、ディレイビューイングも行われます。
言葉について考えるきっかけを得る
あなたは、どんな言葉で、SNSを使っていますか?何のために、ブログで情報発信をしていますか?
「新言語秩序」を体感して、言葉について考えるきっかけを得てもらえたら、とても嬉しいです。